どの道を行くべきか⑥

母からとあるお守りを渡される。

「家族御守」

父からだそうだ。

いらないといって突き返した。

 

まあ、突き返したところで、母は何も言わず自分で持っているだろうし、私に渡したことになるだろう。

父に突き返してくれと、言いたいところを我慢して、何も言わない。そこまではもう私の及ぶ範囲のことではないと考える。

本当に言いたいことをここに書く。

「いや、家族御守ってなによ。いまさら家族に何を求めるわけ?

 私がもうちょっと父親として私の気持ちを汲んでほしいって言ったとき、

 「そんなことできない!俺は父親じゃない!女子供に何がわかる!俺は経営者だ!」

 って言ったよね?心の中のことを話した、大事な時に、そんな風に言ったよね?

 いつも大事な時に、そうだよね?

 家族って、あなたにとって何のためにあるんですか?

 自分の沽券を守るため、世間に蔑まれないようにするため、いい父親だって

 自己陶酔するためじゃないですか?

 誰のおかげで生きてるんだって、いったよね?

 生きるための糧を与えることだけが父親の役割だっていうなら、その辺の動物だって

 やっていることだし、私にとってはただの種付け役ってだけで、父親だとは

 思えないよ。

 父にとって、生きる糧を与えることさえ大変なことだったとはわかってるよ。

 でも、だから「そんな自分を理解しろ」「何も言わずに尊敬しろ」

 っていうかまってちゃんなところを見せられ続けたところで、人の気持ちは動かない  

 んだよ。事実、子供は生きづらさっていう大きな荷物を背負わされるんだよ。

 自分、自分、自分、自分、自分ができること、自分がしたいこと、自分が認められた 

 いこと、自分が嫌なこと、・・・父は1番から10番まで、実はすべて自分なんだよ。

 こんなお守り、まるで轢き逃げ犯に交通安全のお守りをもらっている気分だよ」

 

あー、すっきりした。